以下、代表の文屋さんがまとめた例会の報告書です。
聞き書き人の会 第70回
2017年6月9日(金)午後2時00分~午後4時00分
岡山県立図書館2階グループ研究室
1 小山博子さんの聞き書き作品について講評
・面白かった。長い文章に一気に引き込まれた。
・失われつつある貴重な話が詳細に描かれている。
・聞き書きの所と客観的に書かれた随筆部分があって、よくわかる。
・山の仕事・棚田の仕事など昭和の山里の仕事・生活ぶりが手に取るように描写されている。
・方言の語り・豪快な笑いとともに、語り手の人柄がよく出ている。
・困難な生活であっただろうが、そのことを笑って語る語り手に本当の豊かさとは何か考えさせられた。
・それぞれが完結した2つの聞き書き連作という途中切れた感じがするのは、構成の仕方で一つになるのでは。
・一行空きの行替えが多すぎる。ひとまとまりの段落にした方がいい。
・フリガナは一語のあとにつけた方が読みやすい。 鐘楼門(しょうろうもん)など
・会話の最後の余韻は2画分で3点リーダーを使う。p3L10できんけど・・・。
長音の音引きは、一画分を使う。p3L24 死んだんよー。
・固有名詞ゴーサマには(語法様のなまったもの)という注が必要。ヘギ(薄い板)
・方言は語り手の語ったままでなく、分かりやすく直す。みぃんな→皆
2 文屋推薦図書「子規の音」森まゆみ著 「長生きも芸のうちー岡本文弥百歳」
森まゆみ著 別紙参照
・聞き書きは、語り手聞き手の共同作業である。
・語り手の話し言葉を使うことによって、語り手のいきいきとした人物像が出る。
・語り手のどこに焦点をあてるかに、聞き手の姿勢が表れる。
今まで書かれなかった子規の日常生活と明治の東京での暮らしと仕事を
浮かびあがらせた。母と妹、隣の女の子との交流など。
・来年の講演会に森まゆみ氏はどうか?
・長く地域で、聞き書き活動を続け、雑誌「谷中・根津・千駄木」を25
年間発刊。
・聞き書き作品「円朝ざんまい」「断髪のモダンガール」「明治東京畸人伝」
多数の評伝「鴎外の坂」「青鞜」の冒険」「かしこ一葉」「千駄木の漱石」
・キキガキストの言葉を最初に使った人。山川さんはこの言葉から6年前聞き書き人の会を立ち上げる。
3 その他
・各種イベントについて
・6月4日 山川隆之さんの講演会「地域出版とアーカイブズ」
感想 ・ 聞き書き活動の意義を再認識、感動した。
・ 大事なのは、写真・地図・絵・古文書・話など(アーカイブ)の記録を保存し、共有化し、地域に活用していくことで、その過程が文化そのものと言える。
・ 吉備人出版の22年の歩みがユニークな本の著者たちとのエピソードを交えながら、わかりややすく語られた。
・6月24日10時より・・・渋澤寿一さんの聞き書き講演会・高校生による森の匠への聞き書き映画
岡山大学鹿田キャンパスJホール
・次回7月14日(金)2時~4時 文屋聞き書き作品と山川さん推薦図書